結婚式は式場に払うお金だけでも高額ですが、それ以外にもゲストや式場のスタッフに向けて用意しておくとベターなお金が何種類かあります。
今回の記事ではそれらはどんな場合に、いくらぐらい必要なのか、準備の仕方などを解説していきます。
目次
式場に払う「以外」のお金について
一般的に結婚式でお世話になった方に感謝の気持ちを伝えるためにお礼を渡します。それが式場に払う以外に準備する必要があるお金です。
そのお礼は、渡す相手によって「お礼」「お車代」「心付け」の3つにわかれます。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
お車代
お車代とは、その名前の通り「車で来てくれたゲストに交通費を渡す」というものではありません。
どちらかと言うと「お車代」という名前は単なる名目であり、感謝の気持ちを伝えることが目的だと言えます。
では、どのような場合にお車代を渡すのでしょうか。
ひとつは、主賓・乾杯をお願いしたゲストに渡します。
参加してくれた全てのゲストにお礼としてお車代を渡すと非常に高くなってしまうため、ゲストの中でも特に感謝の気持ちを伝えたい方に「お車代」として渡します。
もうひとつが、交通費です。
新幹線や飛行機などを使って遠方から来るゲストに渡すケースが多いでしょう。
ゲストが遠方から来る場合、必然的に宿泊を伴うため、お車代の中に宿泊費を含むという場合もあります。
交通費と宿泊費の両方は負担が大きくてどうしたらいいの…
そんな場合は、どちらか片方だけを渡すという場合もあるので安心してください。
ちなみに、宿泊費を渡す場合、単純にお金を手渡しするのではなく、ホテルを手配しておき、支払いを済ませておくというやり方がスマートです。
お礼
お礼は、上記のお車代と一緒で感謝の気持ちで渡すものなのですが、当日スピーチや余興、受付等を担当してくれた友人に渡すお金です。
上記のように「お車代」として渡してもいいですし、そのまま「お礼」として渡しても大丈夫です。
お心付け
お心付けとは、海外で言う「チップ」のようなものです。
結婚式場に携わるスタッフの方に「今日1日よろしく」という意味で渡します。
そのため、チップとは渡すタイミングが異なり、最初に渡します。
ちなみに式場側では「お心付けを受け取らない」という決まりがある場合や見積もりの中にお心付けと同じ扱いとなる「サービス料」「介添料」といったスタッフへ支払われるお金が最初から含まれている場合もあります。
お礼やお心付けは必要?
お礼やお心付けは、渡せば渡すほど当然ながら新郎新婦の負担は増えます。
結婚式自体に多くのお金がかかっていますので、そこから更にどれだけの予算を、お礼やお心付けに捻出できるかは、それぞれのカップルの経済状況にもよるでしょう。
とはいえ、やはりお礼やお心付けは、来てもらうゲストやスタッフの方への感謝の気持ちなので、多少無理をすることになっても準備しておいた方が良いでしょう。
結婚式は一生に一度の晴れ舞台です。
誰にいくらぐらい渡すものか
お車代やお礼、お心付けなどを渡す場合、気になるのがその金額でしょう。
「誰に」「どの程度の金額を」渡せばよいのかと思いますよね!?
これは一概にいくらと言えるものではなく、状況によって変わってきますが、それでも大体の相場は決まっています。参考にしてみてください。
相場はわかったと思いますが、渡す金額はご祝儀と同じで、割り切れない奇数の金額にするのがマナーになっています。
また祝いの席なので、死を連想させる「4」や苦に繋がる「9」という数字は避けましょう。
誰からいつ渡すか
これらのお金は現金で渡すことになるので、「誰が渡すのか」「いつ渡すのか」といった部分がややデリケートになります。
お車代の場合
遠方から来てくれるゲストに対して受付の段階で受付担当者から渡してもらうようにするのがベストです。宿泊代については、こちらでホテルを予約し、支払いを済ませておくのがスマートです。
主賓や乾杯をお願いした人には受付後、頼んだ側の親からあいさつを兼ねて目立たないように渡すのがいいです。主賓は、両家からひとりずつ頼むのが一般的なので、両家で1人ずつ渡します。
お礼の場合
受付担当者に対するお礼は、受付が始まる前に親から渡すのがベストです。
それ以外のお礼については、披露宴が終わった後に親から手渡すか、後日新居に招き、新郎新婦から直接手渡すのがベストです。
お心づけの場合
それぞれの担当者とその日初めて顔を合わせた時に渡すと良いでしょう。
お礼・お車代・お心付けを準備する際のマナー
お礼やお車代、お心付けを渡す際、当然のことながら現金をそのまま手渡しするわけにはいきません。封筒に入れて渡します。
しかし、封筒に入れるお金の向きや封筒の表書きの書方などたくさんの決まりがあります。
渡すさいのご祝儀袋やぽち袋の選びかた
どのような封筒に入れればよいのでしょうか。
お金を入れる封筒には、ご祝儀袋やポチ袋などがあるのですが使い分け方としては、金額によって変えるのがベターです。
数万円を渡すときには、水引とのしが付いた豪華なご祝儀袋に入れましょう。
※「水引」と「のし」について下記で詳しく説明します。
1万円程度であれば水引やのしが印刷された略式のご祝儀袋にしておきましょう。
数千円程度であれば、ポチ袋で構いません。
ぽち袋は可愛いものたくさん売れていています。「お礼の気持ち」なので水引やのしが略かされたものを使用しても問題はありますん。
ですが、目上の人に渡す際はやはり水引とのしがついた物を使用する方が無難です。
「水引」について
ここで注意ですが、ご祝儀袋に付いている飾り紐を「水引(みずひき)」というのですが、袋によってひもの本数や結び目、色がいくつかあります。
結婚は「何度あってもよい」ものではないので、結婚式で使用していい水引は、「結び切り」といい、下記の画像のような水切になります。
「結び切り」の中一種なのですが「鮑結び(あわじむすび)」という結び方もあります。
こちらは端と端を引っ張ると強く結ばれることから、慶弔に幅広く使われていますので「あわじ結び」のものもお車代等を渡す際に使用できます。
「水引」の本数は通常5本なのですが結婚は特別なお祝いなので10本のもので、色としては紅白のものが結婚式のお祝い用です。(「金銀」や「赤金」のものも使用できます。)
「のし」について
祝儀袋の右側上に付いているものが、熨斗(のし)です。
昔はあわびを熨して乾燥させて保存食としていて、長寿の縁起物として贈り物に添えられていました。
のしは、お祝いごとの贈り物には付けるのが正式なので結婚のでお車代等を渡すとさいも、「のし」つきの袋を選びましょう。
お金の入れ方
中に入れるお札は折れ目のついてないピン札を用意して入れるのがマナーです。
さらに、お札を入れるときのマナーとして、上記の写真のように人の顔(福沢諭吉や夏目漱石)がオモテ面の上側に来るように揃えて入れるというルールもあります。
ぽち袋に入れる際は上の図のようにお札の人の顔(福沢諭吉や夏目漱石)があるオモテ面を上側におきます。
左端右端の順に三つ折りにします。そして折りたたんだ面を上のまま、ぽち袋に入れます。(内側になったお札の人の胴体から入れていく形です。)
表書きや送り主の書き方について
袋の種類がわかったので封筒に記載すべきことを説明していきます。
「表書き」や「送り主」は毛筆や筆ペンを使用して書きます。ボールペンやマジックのが書きやすいと思いますが、これらで書くのはマナー違反になります。
表書きについて
水引より上の部分を「表書き」といい、何の贈り物なのか目的を書く必要があります。
お礼・お車代・心付けに使う場合の「表書き」は下記の表のとおり。
用途に合わせて使用しましょう。できるだけ、新郎新婦側で表書きはそろえましょう。
ちなみに表書きの「御礼」、「寿」など主要なものは、すでに印刷されたものが売られているので字を書くのが苦手な人は準備の短縮になるので探してみてください。
ですので、付箋とうで誰に渡す物なのかわかるように管理しておきましょう。
送り主の書き方
封筒に書く名前は、招待した側の名字を書きます。
新郎側が招待しお世話になる人には、新郎の名字を書き、新婦側が招待してお世話になる人は、新婦側の名字を書きます。
先に婚姻届を出していても、苗字は旧姓で書きましょう。
2人の共通の知人でお世話になる人には、上の図のように新郎新婦2人の連名で右側に新郎、左側に新婦の名字を書きます。
送り主の書き方はポチ袋でも略式ご祝儀袋でも一緒です。
下記に具体的にどのような場合が連名または新郎新婦それぞれを送り主書くのかをまとめました。
連名で書く場合
- 司会を友人にお願いした場合
- 介添え・ヘアメイク以外のスタッフのお心付け
送り主を新郎新婦それぞれの
名前で書く場合
- 受付、スピーチ、余興を友人にお願いした場合
- 主賓・乾杯をお願いした場合
- 遠方からくるゲストの交通費・宿泊費
- 介添え・ヘアメイク(新婦側)
新郎新婦それぞれの姓を書くとしたものでも、共通の友人の場合は連名で書きましょう。
また、当日でなく後日お礼を渡すさいは結婚後なので新姓の名字だけを書きます。
費用の分担はどうするのか
お礼やお車代、お心付け等については、明確な費用の分担の決まりはありません。
結婚式の費用と同様に、新郎新婦やその両親と話し合って決めておきましょう。
5対5で折半するケースもありますが、6対4や7対3など、新郎側が多く払うケースが多いようです。
まとめ
今回は結婚式に必要な様々な費用についてお伝えしました。
結婚式というのは、安く済ませたい反面、ケチったり節約したりしたくない部分もあります。
お礼やお心付けなどは感謝の気持ちを表す部分なので、特にカットすると後ろめたい気持ちが生まれてしまうでしょう。
せっかくの結婚式なら、多少予算オーバーになってしまったとしても、無理のない範囲で気持ちよく支払って新郎新婦もゲストも良い気持ちで当日を過ごせるようにしましょう。
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